名作童話劇場 5「さんぞー…。」 「…。」 「あーん、どうした悟空。八戒に追い出されたか?」 「あ、悟浄、いたんだ…。」 「ああ? 何だよ? 俺がいちゃ悪いのか?」 「そ、そうじゃないけど、オレ、さんぞーに話があって…。」 「……。」 「じゃ、いーじゃねーか、そこで話せよ。」 「だってさ…。」 「………。」 「…悟空、おまえ、なんか顔が赤くないか? 心なし目も潤んでるような…。」 「! そんなことないよっ。」 「ははーん、さては八戒といいコトでもしてきたんだろう。」 「そっそっそんなことっ!!」 「…もしかして図星か? そのうろたえ様…。」 「…悟空、ちょっと来い。」 「さ、さんぞー、ほんとにオレ、何にもしてないよう…。」 「いいから来い!」 「うわ、おっかねー。悟空。浮気してきたんなら、さっさと謝っちゃえよ。」 「浮気なんかしてないってばっ!」 「………。」 「おわ! おまえいきなりその銃向けるの止せ! 当たったらマジで死ぬんだぞ!」 「…マジで殺してやろうか。」 「わーかった、わかった、わかりました。邪魔者は退散しますよ。 …おーこわ。三蔵の奴、目が据わってたぞ。あれじゃ悟空も大変だ。くわばらくわばら。」 「えーと、さんぞー…。」 「…言い分は聞いてやろう。八戒と何をしてきたか言ってみろ。」 「お、オレは何にもしてないよう!」 「オレは? ほーう、じゃあ、八戒が何かしたのか。」 「う…。い、言うほどのことじゃ…。」 「…ちっ、悟浄にさえ釘さしとけばいいと思ったら、とんだところからちょっかいが入ったな。で、何をしたんだ。」 「そんなに睨むなよう…。キ、キスマークを調べてもらっただけ…だよ。」 「…なんでそんなもん調べさせるんだ。」 「だって、八戒が、腐るって言うから…。」 「…おまえはほんとにバカザルだな。そんな嘘にころっとひっかかりやがって。」 「え! 嘘なのかよ! だって、チンチンが落っこちるって…!」 「…そんな方まで見せたのか。…何いまさら口なんか押さえてる。…その様子じゃもちろん只じゃ済んでないな。」 「そんな大した事じゃないよっ。チンチンは触られちゃったけど、後ろの方は…!!」 「ほおお〜(怒) 触られて、気持ちよーくいっちゃったのか。」 「さ、さんぞー…。」 「…場所を変えるぞ。みっちりその体にわからせてやる。」 「な、なあ、さんぞー。逃げたりしないから解いてよ。手が痛いよ。」 「だめだ。お仕置きなんだからな。ちょっとぐらい痛いに決まってるだろう。」 「いっつも縛るじゃないかあっ! なんでこんな乱暴なことするんだよう!」 「そうか、そうだったな。これじゃお仕置きにならないか。それじゃあ、ここも縛るか。」 「やっ、やだやだっ、そんなとこ縛っちゃったらっ!」 「八戒にしてもらったみたいに気持ちよーくいけないだろう。」 「八戒に触られたって、気持ち良くなんかなかったよう! 気持ちいいのはさんぞーに触られたときだけだってばっ!」 「でも触らせたんだろう。…こんな風にか?」 「あ、あ、八戒はそんなに乱暴じゃなかったよう! …い、痛いっ、それっ、解いてってば!」 「…勃ったらますますきつくなったか。しかしおまえは相変わらずあっという間に勃つな。1本抜いてきたっていうのに。」 「そ、そっちは触らせてないっ! そこはさんぞーの場所だから!」 「へーえ、ここは俺の場所か。…それじゃ俺が何突っ込んでもいいんだな。今日は何を突っ込んでやろうか。…これにしようか。」 「こ、これって、数珠! や、やだやだやだ! やめ…あっ、あっ…。」 「珠の一つ一つが大きいからな、中で擦れあって気持ちいいだろ。」 「ばかあ、経文の時はラップしてたのにぃ、あ、後で汚いじゃないかあ! 早く出してよう!」 「いいんだ。経文は後の三蔵に回さなきゃならないからヘンな汚れがついてるとまずいけど、数珠は俺だけが一生首に架けてるもんだからな。多少ヘンな匂いがしたって構わない。おまえだと思って一生大事にしてやるよ。」 「あ…あん、もう、いっぱいだよう。早く…出してってばあ…。」 「そんなに出してほしいか? あらかた入ったし、じゃあ出してやろうか…。」 「ひいいっ、いきなり引っこ抜いちゃやだあっ!」 「中でゴリッていったな。前立腺にもしっかり当たるように、もっと奥まで突っ込んでやろうな。…いい気持ちだろ。」 「やっ、また突っ込むしっ、ど、どうして普通にしてくれないんだよう!」 「うん? なんだって?」 「オ、オレはただ普通にしてほしいんだっ。普通にっ、さんぞーのこと抱きしめたいんだっ! いつもこんな風に縛られて一方的に苛められて、こんなのやだよっ!」 「…バーカ、おまえみたいな体力ばかと対等に付き合ってたら、こっちが腎虚になるっつーの。…だけど、こっちはイイんダろ。こんなにぐちょぐちょに塗れて、しっかり喜んでるじゃないか。」 「それは、そうだけど…でもっ! あ、んあっ。」 「まだ半分ぐらい数珠が入ってるけど、このまま俺が突っ込んだらどうなると思う? 中でゴリゴリ擦れあって、俺もおまえもサイコーにイイと思わないか?」 「や、やあっ、そ、そんなの無理…。」 「遅い。可愛いこと言うおまえが悪いんだ。…。」 「あっ、あーっ、さんぞー、すごいよお。もっと、もっ…、ああっ…。」 「…悟空。眠っちまったのか。あーあ、ほっぺたに涙の筋いっぱいくっつけて。…無理もないか。いかせないで散々かき回してやったもんな。 …今日は一体どこで遊んできたんだ。髪の毛がごわごわになってるじゃないか。まったくしょうがないバカザルだな、おまえは。 …おっと、タバコの灰が顔に掛かっちまう。危ない危ない。可愛い顔にやけどでもさせたら大変だ。 しかし、俺のことを抱きしめたいだなんて、…生意気に殺し文句を吐いてくれるな。 もっとも、おまえに抱きしめられたら、こっちの体がいかれちまう。 …別にそれでもいいけど、それじゃおまえが悲しむだろう? 俺はおまえの塞ぎ込んだ顔なんか見たくないんだ。 悟空。俺がおまえに酷くするのは、おまえに俺を覚えていてほしいからなんだよ。 おまえは俺が年取って人としての寿命を終えても、まだ若いままで、その後もずっと生き続けていくんだろう? 五百年で大した成長もしなかったおまえだ。あと、一万年くらいは生きるんだろう。 その間には新しい仲間に出会うだろう。もしかしたら…、いや、おまえは可愛いから必ず恋人もできるだろう? 新しい恋人ができても、こんな酷いことをした奴がいたって、俺のことを少しでも思い出してくれるように、俺はおまえには辛く当たってしまうんだ。 …やっぱり俺のエゴなのかも知れないな。俺みたいな奴は忘れて生きればいいんだろうな。だけど、それじゃ俺があんまり淋しいじゃないか。俺はおまえ以外の者はもう全然見えなくなっているのに。 いっそ、俺が寿命を終えるとき、おまえもいっしょに連れて行きたいと思うよ。それこそ俺のエゴなんだろうな。 だけど、もしおまえがいいと言ってくれるのなら…。ばかな話か。 まあいい。おまえは今確実に俺の腕の中にいてくれるんだもんな。 もしかして、これが幸せっていうモンなのかな…。」 |