「お疲れさまでした!」 「お疲れさまでした〜。」 「…したぁ。」 「じゃ、これから打ち上げをはじめまーす。」 「どうしたのよ、八戒さん、なんかごきげん斜めじゃないの。」 「あなたは、この扱いで満足できるんですか? 今回僕ら、出番異様に少ないじゃないですか。しかも悪役ですよ、悪役。」 「そうかあ? 俺は結構良かったけど。」 「そりゃ悟浄は、悟空との本番もありましたもんね。だけど僕なんか変態扱いですよ。しかもソーロー気味の…。」 「適材適所じゃないの(ぼそり)」 「………なにかおっしゃいましたか?」 「や、俺が悪うございました! 前言撤回いたします! だからその光ってるの引っ込めてくださいよ! ああっ、笑顔で睨まないで!」 「ふう(引っ込めた)。ま、あなたなんか苛めても腹の虫が治まらないし。」 「さいですか…。恩に着ます…。」 「むかつくのは三蔵ですよ。悟空は可愛いからなんでも許すとして、あの人はなんだかひとりで悲壮ぶって、結局たんまりいい思いしてるじゃないですか。いまだって悟空にべったりで…。」 「おいスタッフ、飯が足りねえぞ。このサル接待する気なら、飯は100人前くらい用意しとけよ。」 「あっ、これうまっ。なあなあさんぞー、面白かったな。」 「そうか、面白かったか(にやり) 俺も面白かったぜ。あの血糊には参ったけどな。ところでこれ、なんだかわかるか?」 「えっ、これ、さっきの…。」 「スタッフにもらったんだ。おまえも大好きだろう?」 「うわっ、よく見るとすんげえ卑猥な動き方…。俺こんなのずっと入れてたんだ…。」 「(急に小声)今度は個人的にじっくり可愛がってやるよ。あんなライトの中じゃ落ちつかなかっただろ。…それとも反って燃えたか?」 「…三蔵のスケベ…。」 「じゃ今夜はこれで…な。」 「……………。」 「……………(怒)。」 「あーあ、おサルちゃんたら真っ赤になってうつむいちゃって。あんだけやっといて、今夜もしっぽりか。」 「…許せない。」 「おおこわ。んで、ジェラシーに燃える八戒さんとしてはどうするわけ?」 「こっちだって、さっきスタッフからくすねたものがあるんです。」 「あれ、その瓶…。」 「三蔵が悟空に盛った例の薬ですよ。」 「はあん。それをおサルちゃんだまくらかして盛る気?」 「まさか。悟空は素直で可愛いですからね。わざわざだまさなくても、好きなだけいいようにできますよ。」 「素直で可愛い…ね。要するにお馬鹿なんじゃないの。」 「あなたのその口の軽いところも、素直で可愛いですね。」 「…分かりました。俺がお馬鹿でした。恐いから睨まないで…。」 「これは三蔵に盛るんです。あなたも一枚噛みませんか? 三蔵を拉致して動けなくした上で、これを与えて、目の前で悟空をかわいがるってのはどうです?」 「うわ、鬼畜…。だけど面白そうじゃねえの。」 「そうでしょう。それからもう一つ、いい物があるんです。」 「…撮影用のカメラ? なにするんだよ?」 「もちろん、これで三蔵の情けない姿を撮るんですよ。」 「うわ…。(あとずさる)」 「取り澄ました最高僧さまが、一回も触れられないで情けなく果てる姿をフィルムに納めたら、売れると思いませんか?」 「売るのかよ…。(更に後退)」 「当然。だってこの裏ビデオのスポンサー、誰だか知ってます? 三蔵のお寺なんですよ。これの収益金で、悟空の食費を賄うんですって。僕たちにはすずめの涙のギャラで。」 「まーさか、寺がそんな阿漕な事…。」 「それだけ逼迫してるって事ですよ。だけど、三蔵は大喜びなんです。三蔵のやりたい放題の脚本でしたもんね。三蔵ひとり喜ばせておくの、癪じゃないですか。」 「ふうん…、ま、俺はどうでもいいけどさ。」 「…そうですねえ、どうせお漏らしするにしても、法衣の上から染みが広がるような図がいいですねえ。下だけ捲ってビキニかなんかを履かせて、それでたっぷり濡れてもらうの、どうです?」 「………好きにしてください。」 「さあ、それじゃまず、悟空を引っかける事が必要ですね。まあこれは、肉まんの一つもあれば大丈夫。今夜も楽しくなりそうだ♪」 「………やっぱり適材適所…。」 |